
40代前半です。更年期なのか、最近イライラが止まりません。ちょっとしたことでイライラして、家族にもきつく当たってしまいます。
そのせいで家庭内の雰囲気も悪く、このままではいけないとは思うのですがどうしてもコントロールできません。
でもこんなことで病院に行くのも…
どうしたらいいでしょうか?
A:自分を責めないことから始めましょう。
更年期に入ってから、些細なことでイライラしたり周囲にきつく当たってしまったり…そんなご自身に戸惑いや自己嫌悪を感じておられるのですね。
まず、「なんとかしたい」と思ってここで打ち明けていただいたこと自体が大切な一歩だと思います。はじめにお伝えしたいのは、更年期のイライラは性格の問題ではないということです。
閉経前後に大きく変動する女性ホルモン、特にエストロゲンの急減は、自律神経や感情をコントロールする脳の働きにも強く影響します。どんなに冷静な人でも、これまでとは違う自分に戸惑うことは少なくありません。
イライラに向き合うための5つの処方箋
◆ 自分を「責める」のではなく「いたわる」
「また怒ってしまった…」と感じる日もあるかもしれません。
そんなときは深呼吸をして、「ホルモンのせいで調子が不安定なんだ」と自分の状態を認めてあげることを意識してみてください。
すぐに苛立つ自分を責めてしまうと、「自分はダメなんだ」とストレスを溜めてしまい、更年期の症状を加速させてしまいます。
まずはゆらぎの時期にいる自分を自覚し認めてあげることが、症状をやわらげるための第一歩です。
◆ 身体を整える時間を少しでもつくる
以下のような、副交感神経が優位になるような習慣を日々に取り入れてみましょう。
- ストレッチ
- ウォーキング
- ぬるめのお風呂に入る
忙しくてそんな時間は取れない、ということもあるかもしれません。そんな場合は、呼吸を深くするだけでもイライラの波をやわらげることができますよ。イライラしたときには、深呼吸を3回繰り返してみてください。
◆ 食事とサプリメントでホルモンバランスをサポート
更年期の様々な症状は、エストロゲン(女性ホルモン)が減少することによって引き起こされます。
そのため、エストロゲンと似た働きをする「エクオール」という成分が配合されたサプリメントを飲んだり、エクオールを作るもととなる大豆を食べるのも対策の1つです。
また、ビタミンB群やマグネシウム、鉄分などの栄養分が不足すると、イライラしやすくなってしまいます。栄養バランスが取れた食事を意識することも、イライラを和らげることに繋がりますよ。
◆十分な睡眠をとる
質の良い睡眠を十分にとることも、イライラを軽減してくれます。
イライラと睡眠は密接な関係にあり、睡眠のリズムが乱れていたり質の良い睡眠がとれていない場合、更年期のイライラをさらに増長させてしまいます。睡眠不足が慢性化してしまっているのなら、まずは毎日の睡眠から見直してみるのもよいでしょう。
イライラが収まらない、家族にきつく当たってしまってツラいのならば、一度その場を離れて15分程度の仮眠をとるのも1つの方法です。
◆信頼できる人に相談する
更年期の不調は、「更年期であることを人に知られたくない」と、ひとりで抱え込んでしまいがちです。
しかし、「最近ちょっと情緒が不安定で…」と誰かに打ち明けることで自分の気持ちが整理され、周囲の理解も得やすくなります。
これまで1人で悩んでいたのならば、身近な人に相談してみると心が軽くなるかもしれませんよ。
更年期のイライラは病院で相談できます
「こんなことで病院に行くのも…」と悩んでおられるようですが、更年期のイライラは病院で相談が可能です。
生活に支障をきたしているのであれば、婦人科や女性外来、更年期外来を受診してみましょう。
カウンセリングや漢方の処方だけでなく、場合によってはホルモン補充療法(HRT)なども可能です。
病院に行くことに抵抗があるかもしれませんが、自分に合った適切なサポートを得るために行動してみてはいかがでしょうか。
編集部からひと言
更年期のイライラはコントロールが効かず、本当に辛いですよね。
なぜこんなにもイライラしているのか、些細なことで目くじらを立ててしまうのか、自分でもわからず戸惑い、ときには涙が出てしまうこともあるでしょう。
しかし、その心身の変化やとまどい、苛立ちは、とても自然な反応なのです。更年期のイライラは、決して「あなたのせい」ではありません。
大切なのは、「私だけじゃない」と知ること、そしてそんな自分を自分自身が受け入れてあげることです。
どうかご自身を責めず、できることから少しずつはじめて、心地よい毎日を整えていってくださいね。
今日のご相談が、そのきっかけになれば幸いです。
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